健康は健口から

一番大事な事

当ホームページはもちろん大林歯科医院を皆様に知っていただく為に作製しました。

でも、当ホームページの一番の目的は、歯の大切さ、咀嚼の重要性、歯周病と全身の病気の関係、口呼吸の有害を皆様に知っていただきたいということにあります。

歯は本当に大事です。文字ばかりで面白みはありませんが、どうぞこの項だけはお読み下さいますようお願いいたします。

1.歯の重要性について考えてみましょう

【 食事のために必要 】

消化器官の入り口であり、口からしか食物は入りません。

【 コミュニケーションに不可欠 】

歯がないときれいに発音ができません。人間は社会の中で生きる以上、コミュニケーションがとれない事は、社会的な生活ができなくなる事を意味します。

【 美の基本 】

明眸皓歯という言葉があるように美の基本

歯および口腔は小さな臓器ですが、かように大きな機能をはたしています。歯科は生活の質と生命に直結している医療です。口腔の健康なくして全身の健康はありません。噛む事(咀嚼)は皆様が考えている以上に全身に関係しているのです。

2.咀嚼と全身の関係について

【 よく噛む事で脳が活性化されます 】

よく噛む事で脳の血液の増加が認められます。すなわち認知症になりにくくなり、また脳のリハビリ効果があるのです。また、幼稚園児や小学生では十分な咀嚼と知能指数の間に相関が認められています。

【 体のバランスを取る 】

人間の体は頭が重いトップヘビーでバランスはよくありません。バランスを取っているのは筋神経系ですが歯が悪くなると頭頸部の筋肉(脳鎖乳突筋、咬筋、側頭筋etc)の力が低下し頭を支える力が弱くなります。すなわち体のバランスが悪くなるのです。

【 リラックス効果 】

よく咀嚼する事で脳派のα派(リラックスした時に出る脳波)が増加してβ派(緊張した時に出る脳波)が減少します。要するに噛む効用にはストレスを軽減し、緊張を和らげる働きがあるのです。

【 肥満の防止 】

よく咀嚼すれば満腹中枢が刺激されて、食欲が抑制されます。この事はとりもなおさず、メタボリック症候群の予防、糖尿病の予防につながります。

【 唾液の効用 】

よく咀嚼すると唾液の分泌が盛んになります。

消化吸収を助長

→アミラーゼがデンプンを分解する

味覚を助長

→美味しさを味わい、脳を刺激してリラックス効果を生む

虫歯や歯周病の予防

→原因菌を洗い流すだけでなく、スタラリンが歯の石灰化を促す

抗菌作用

→リゾチウムやラクトフェリンが細菌の働きを弱める

発癌性の抑制

→ペルオキシダーゼが食物中の発癌物質の発癌性を弱める

活性酸素の消失

→ペルオキシダーゼが活性酸素を消す

NK(ナチュラル・キラー)細胞の増加

→ラクトフェリンが免疫細胞のNK細胞を増加させる

等の作用があります。

このように、よく咀嚼する事は健康に大きく寄与しています。それだけでなく人生に大きく関わってきます。人生の幸せの基本は愛する人達との食事ではないでしょうか。食事はただ単に栄養源やカロリーを胃の中に投与するだけのものではないでしょう。昨今のサプリメントや栄養補助食品だけで健康を得ようという風潮は大きな間違いと思います。

※御注意!!

よく咀嚼するということは、食物をよく噛む事で、空の状態で噛みしめると顎の関節を痛める顎関節症になりやすくなります。御注意下さい。

3.では咀嚼回数が少なくなるとどうなるのだろう

現代日本人の咀嚼は戦前に比べると6割も減っています。

咀嚼回数が少なくなると、顔や顎の骨の成長発達が遅れ、また唾液腺特に耳下腺の発達が抑えられ顎が小さくなります。

     ↓

歯や舌の位置が不正となります。

     ↓

口呼吸となり虚弱体質になりやすくなり、顎関節症や種々の耳鼻咽喉科疾患、姿勢障害を発症させやすくなります。(口呼吸と全身との関係については後述)

4.よく咀嚼するには「正しい噛み合わせ」が条件となります。

 私たち歯科医の使命は、正しい噛み合わせを患者さんに提供することにつきます。予防、虫歯治療、歯周病治療、義歯、矯正治療、インプラントetc… 色々なことを行いますが、目的は正しい噛み合わせを提供し患者さんの人生の幸せに寄与する事です。

※御注意!!

正しい噛み合わせ=歯を残すことではないのです。矛盾するようですが何が何でも歯を残すことが正しい道とは私は考えていません。萌えた位置がどうしようもなく悪い歯。歯周病や虫歯で残しておくと細菌の住処だけになるような歯は早期に抜歯すべきと考えます。また最近の研究によると歯周病が心臓病、糖尿病、呼吸器疾患、早産低体重児出産と関係がある事が分かってきました。(歯周病と全身疾患については後述)

5.正しい噛み合わせを守るにはどうすれば良いのだろう

歯の喪失のほとんどは、齲蝕(虫歯)と歯周病(歯槽膿漏)です。よってこれらを予防する事が良いということになります。この齲蝕も歯周病も生活習慣病です。この為、生活習慣病を改善し、持続しようとする意志の力が必要不可欠となります。具体的にはプラークコントロールと食生活の改善です。治りたい人は治るし、どうでもいいと思っている人は治りません。自分の健康が自分で守るしかないのです。

6.歯周病と全身疾患

前述のように、最近の研究で歯周病はただ単に歯の周囲の骨(歯槽骨)がなくなる病気ではなく、全身の病気と関係していることがわかってきました。歯周病がある種の病気を引きおこし、また悪化させることがわかってきたのです。

【 歯周病と糖尿病 】

糖尿病はインスリン(血糖値を下げるホルモン)の作用不足による高血糖状態が続く事をいいます。逆にいえば全細胞にいきわたるはずの糖分がほとんど吸収できず栄養不足の状態です。また、高血糖が続くと血管がボロボロになり、様々な合併症をひきおこします。糖尿病の恐さは、その合併症にもあります。現在日本では糖尿病の患者さんは740万人。予備軍は880万人。計1620万人が糖尿病と関係があるのです。あなたも糖尿病(予備軍)かもしれない!!

 【 歯周病と心臓病(細菌性心内膜炎)】

細菌性心内膜炎は血液に入った細菌が心臓に侵入して心臓弁と心内膜に感染をおこす病気で生命にかかわります。歯周病菌は心臓弁に付着しやすく、歯周病の人は健康な人に比べて細菌性心内膜炎を発症するリスクが2倍という報告があります。

【 歯周病と誤嚥性肺炎 】

歯周病菌が唾液と一緒に肺に入ることによりひきおこされるのが誤嚥性肺炎です。高齢者や寝たきりの人に多く発症します。

 【歯周病と早産、低体重児出産 】

早産は乳児死亡の主原因です。歯周病がその早産の原因の1つなのです。歯周病になり、炎症が広がると血液中のプロスタグランディンという物質が増えますが、これは子宮の収縮を促進する物質なのです。子宮の収縮が早く起きると早産となり低体重児出産となるのです。

7.口呼吸と全身との関係について

結論から言えば、口呼吸は全身状態悪化の原因となっています。大袈裟に言えば万病の元です。基本的に口は飲食をする場所、鼻は息をする場所です。

鼻の役割(鼻呼吸の意義)

【 空気を清潔にして肺に送る 】

空気中は多数の細菌・ウイルス・有害物質がおりますが、これらを鼻・副鼻腔の粘膜とリンパ節(扁桃など)が除去しています。

【 空気を加湿し一定の温度に保つ 】

【 味覚は大脳皮質とつながっている 】

よい香りは大脳皮質を刺激し、脳の機能を高め、かつ免疫力を強化します。

【 大脳を冷却する 】

大脳は大量の熱を発生しますが、逆に高温に弱い。鼻呼吸をすることにより、海綿静脈洞を介して頚動脈を冷却し、脳を冷却します。

では口呼吸をすると

上述の事ができなくなります。すなわち、乾燥した不適当な湿度で、かつ細菌の多い空気を吸い込む事により肺炎になりやすくなります。また、大脳への嗅刺激が少なくなる事により、大脳の機能が低下します。そればかりでなく、扁桃などのリンパをいためる事により免疫システムを低下させます。唾液のPHが変わり唾液の抗菌作用が低下し虫歯や歯周病になりやすくなります。そのうえ、舌の位置が悪くなり上顎骨の発育が悪くなり、うけ口や、乱ぐい歯になりやすくなります。子供の健康の為、重要な事は鼻呼吸を確立する事です。